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お薬飲みすぎ?

2022.07.19

皆さん、薬は出来る事なら減らしたいですよね?

私もそう思っています。

私の方針は、効いているかどうか分からない薬を、漫然と処方することは避けたいと思っています。

本当に必要な薬だけをしっかりと飲んで頂きたいと思っています。

それでは、何が本当に必要な薬なのでしょうか?

これは明確です。「予後改善薬」と呼ばれる薬が必要なのです。

その薬を飲んでいるかどうかで、寿命が明らかに良くなる薬のことを言います。

例えば心不全の患者さんですと、少なくとも4種類は予後改善薬があります。

世界中の治療ガイドラインでも、是非とも飲むべき薬として勧められています。

この「予後改善薬」を飲んでいるかどうかで、数年先の状態に違いが出ます。

最悪寿命にまで影響してしまいます。

私は患者さんの数年先を見据えた治療を行っていますので、この「予後改善薬」をしっかりと効果が出る量まで増やしていくことが、とても大事なことだと思っています。

ただ如何せん問題なのは、患者さんにとって「予後改善薬」の効果を実感できないということなんです。

しかも大概こういう薬は小さくて、ホントに効いてるの?と思いたくなります。

ですが大丈夫です、安心して下さい、よく効いてます!

このように、予後改善薬は「目に見えない治療」と言えます。

逆に、便秘薬や睡眠薬なんかは効果が実感できるので「目に見える治療」です。残念ながら予後改善効果はありませんが。

患者さんの中には、「目に見えない治療」なだけに「予後改善薬」を中断してしまう方もおられます。

その結果、驚く程に進行してしまっていたことも度々ありました。

後悔しても仕切れませんので、是非「予後改善薬」を大事に大事に飲んで下さい。

そういう訳で、患者さんと一緒に薬を減らしていくことを考えていきたい私ではありますが、「予後改善薬」だけはなかなか減らすことが出来ないという事をご理解頂ければと思います。